「JPXプライム150」という指数について、ポートフォリオに組み込むか考えてみた

新ニーサ

このところ、日本株の指数について改めて調べる機会がありました。というのも、いつも積み立てているオルカンやS&P500、NASDAQ100はどれも海外中心の指数で、日本株への配分がTOPIXの1万円だけとやや薄いことに気づいたからです。その中で目に留まったのが、「JPXプライム150」という比較的新しい指数でした。

■ 40年ぶりの大きな転換点にいる

まず前提として押さえておきたいのが、世界的な金利と物価を巡る環境の変化です。1981年から2020年にかけて、アメリカの長期金利はほぼ一貫して低下を続け、コロナ禍でほぼゼロまで落ち込みました。金利の裏側にあるのは物価であり、この40年間は世界的に「物の値段が下がり続ける時代」だったと言えます。グローバル化の進展や安価な労働力の供給が、そのトレンドを支えてきたわけです。

ところが2022年頃を境に、この長期トレンドを示す移動平均線を金利が上に抜けてきました。日本の名目GDPも、失われた30年と呼ばれる停滞期を抜け出しつつあります。つまり、40年間続いた「コストのかからない時代」が終わり、「稼がなければ生き残れない時代」に入ったのではないか、という見立てです。

この変化に最も敏感に反応するのが、実は日本市場なのではないかという指摘には、なるほどと思わされました。30年間何もしてこなかった分、変化の余地、いわばバッファーが大きく残っているという理屈です。

■ TOPIXや日経平均との違い

こうした環境の変化を捉える指数として、日経平均やTOPIXでは物足りないのではないか、というのが今回のポイントです。TOPIXは日本の上場企業全体を表す指数であり、稼ぐ力のある企業もそうでない企業も一緒くたに含まれてしまいます。

これに対してJPXプライム150は、時価総額上位500社の中から、「稼ぐ力」を持つ150社だけを選定した指数です。選定基準は2つあり、1つはROE(自己資本利益率)で測る「収益性」、もう1つはPBR(株価純資産倍率)で測る「将来性」です。ROEは企業が投資家にどれだけ利益で報いたかを示す指標、PBRは投資家がその企業の将来性をどう評価しているかを示す指標で、この2つの掛け合わせで銘柄が選ばれているのが特徴です。

■ ROEとPBRの相関に日本の課題が表れている

興味深かったのが、ROEとPBRの関係を示すデータです。ROEが8%を超え、PBRが1倍を超えるゾーンでは、ROEが上がるほどPBRも上がるという右肩上がりの相関が見られます。つまり、企業が努力して利益を上げれば、投資家がきちんと評価してくれるという、本来あるべき姿です。

一方、ROEが8%未満、PBRが1倍未満のゾーンでは、この相関がほぼ横ばいでした。企業がどれだけ努力しても、株価にまったく反映されない状態です。実は東証プライム市場全体で見ると、この「努力が報われないゾーン」に4割から5割の銘柄が入ってしまっているというデータもあり、これが日本市場全体の株価が長らく低迷してきた一因なのだと理解できました。JPXプライム150は、この右肩上がりのゾーンに集中している150社で構成されており、時価総額上位750社全体では右肩上がりのゾーンの比率が44%程度であるのに対し、この150社に絞ると78%まで高まるそうです。

■ 海外にはない、日本独自の指数設計

もう一つ興味深かったのは、この指数の設計思想が海外にはあまり類を見ないものだという点です。ROEとPBRという2つの指標を使うこと自体は、株式投資の世界では何十年も前から存在する古典的な評価軸です。ただ、日本市場ではこの2つがうまく機能してこなかった、というのが「失われた30年」の実態だったということになります。

海外では、企業の稼ぐ力が乏しい会社に対しては市場から淘汰圧力がかかりやすく、そうした企業は自然と減っていく傾向があるそうです。ところが日本ではPBR1倍割れの企業が長らく大量に存在し続けてきました。PBR1倍というのは、会社を今すぐ解散した場合の最低限の価値と同水準ということなので、それを下回るというのは、市場から「この会社に成長への期待はない」と評価されているに等しい状態です。東京証券取引所が近年、上場企業に対して資本効率の改善を強く要請してきた背景には、こうした構造的な課題があったのだと腑に落ちました。

■ 「日本代表」としての位置づけ

JPXプライム150は、いわば日本の上場企業の中から選ばれた「日本代表チーム」のような性格を持つ指数だと捉えると分かりやすいかもしれません。アメリカのS&P500がマグニフィセント・セブンと呼ばれる少数の巨大テック企業に牽引される構図とは異なり、日本市場でそこまで極端な一極集中が起きる可能性は低いとされていますが、それでも「稼ぐ力」を基準に絞り込んだ150社が、今後の日本市場を牽引していく存在になる可能性は十分にあると感じています。

■ 自分のポートフォリオにどう活かすか

このあたりを踏まえると、TOPIX連動のインデックスをそのまま持ち続けるより、「稼ぐ力」に絞ったJPXプライム150のような指数を組み合わせる方が、今後10年、20年というスパンでは理にかなっているのかもしれないと感じました。

もちろんTOPIXにも、市場全体の値動きを取れるという分散効果があります。ただ、日本経済が「稼がなければ生き残れない時代」に入りつつあるのだとすれば、その変化の恩恵をより強く受けるのは、すでに稼ぐ力を証明している企業群のはずです。次回の配分見直しでは、TOPIXの一部をJPXプライム150に連動する商品に置き換えることも検討してみたいと思います。

まだ実際に投資判断を下したわけではありませんが、日本株というと出遅れ感のイメージが強かった中で、こうした指数の存在を知れたのは大きな収穫でした。今後もポートフォリオの微調整を続けながら、資産1億円という目標に向けて進めていきたいと思います。

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